良いバイオリンの先生を見分ける7つの条件

violin バイオリン始めたい人へ

良いバイオリンの先生を見分ける7つの条件

良いバイオリンの先生を探したいとき、先生の良し悪しは何を目安に判断すれば良いのでしょうか?
ピアノなど音楽歴がある方は、先生の良しあしが何となくわかると思いますが、音楽歴がない人は「良い先生」がどういう先生か、想像がつかないと思います。

まずは、良い先生とは具体的にどういうことかを知りましょう。

良いバイオリン先生である7つの条件

生徒の話や希望をきちんと聞いてくれる

生徒の話、進みたい方向性、ペース配分、弾きたい曲の希望など、生徒の話を聞いてくれる先生がお勧めです。

これは一見当たり前のようですが、意外と生徒の話や希望を一切聞かずに先生の持論だけで、生徒の方向性や進めるペースを決めてしまう先生も中にはいます。

生徒の個性(体格、希望など)に合わせて指導できる

バイオリンを習う人にはいろんな方がいます。

身体が大きい、小さい。腕が長い、短い。といった身体的特徴。

ゆっくりとした曲が得意、アップテンポな曲が得意。
クラシックが弾きたい、映画やアニメ曲が弾きたい、などの方向性の希望。

仕事が忙しいのでのんびり進めたい、時間を作って練習するので早く先に進めたい。など進むペースの希望。

上手い先生は生徒の個性に合わせて、指導内容や方針・ペース配分を変えます

身体的特徴によって、ベストなバイオリンの構えや弓の持ち方、姿勢は変わります。

また、進めるペースもそれぞれで、「今月は仕事が繁忙期であまり弾けなかった」「今は余裕があるからたくさん練習していっぱい進めておきたい」など、同じ生徒でも”今の状況”に合わせて切り替えてくれます。

最初の話とも繋がりますが、先生が生徒の個性に合わせた指導をするには、まずは生徒の話や希望に先生が耳を傾けてくれる必要があります。

先生のバイオリン(楽器)がレッスン中に出してある

「先生のバイオリンが出してある」教室を選びましょう
楽器が出してあるということは、演奏のお手本を生徒に実演して見せようとしている、といえます。

よろしくない先生の例として、「お手本を一切見せない先生」「お手本は生徒の楽器を借りて演奏する先生」がいます。

前者は言うまでもなく、お手本を見せてくれない先生は良い先生とはいえないです。
生徒は、先生のお手本を見ないと、言葉で指導されても”何が正解か”が分かりづらいです。
百聞は一見に如かず。自分の目で見て耳で聞くことにより、正しい演奏技術を身につけられます。

「お手本は生徒の楽器を借りて実演する先生」はお手本を見せてくれない先生よりはましです。
ですが、バイオリンは人によって適切なセッティングが違います。
例えば肩当ては、自分にあった肩当てを用意し、自分にあった付け方や角度を模索して、そうやって始めて「自分に合った肩当て」が自分の楽器にセッティングされます。
他の人用にセッティングされた楽器をその場で借りても、慣れてなく、自分用にセッティングされていない楽器では最高のパフォーマンスはなかなか出来ないのです。

何より、楽器を渡したり返してもらって構えなおすという時間がもったいないです。
その時間もレッスン費用は支払うのですから、小さな時間でも無駄にすべきではありません。

先生のバイオリンがすぐ弾けるように準備されているかどうかは、初心者でも、教室内を見ればすぐわかります。

調弦(チューニング)をさせてもらえる。必要な技術を教えてくれる。

レッスンの最初は、必ず調弦、チューニングを行います。

全くの初心者や幼児は先生が調弦してくれるかもしれませんが、慣れてきたら、正しい調弦の方法を習って、自分で調弦できるようになる必要があります。

特に上手くなりたい、将来はアマオケに参加したいと考えている人は、チューナーに頼らない「五度調弦」が自分で出来るようになる必要があります。耳を鍛えるためと、早く調弦を済ませるため、です。

上手くなりたい人は、チューナーに頼らない調弦方法をきちんと教えてくれる先生につきましょう。

私は初回レッスンで始めてバイオリンを持った時から、先生からのご指導で、自分で調弦しています。
先生がサポートしてくれても、慣れないうちはかなり時間がかかります。
(最初はチューナーで合わせて、2,3カ月後には五度調弦に挑戦していました。
自宅で一人で五度調弦する時は、始めたころは調弦だけで15分もかかかっていました。
今でも丁寧にあわせるように心がけています。)

調弦に限ったことではありませんが、「必要な技術を、必要なタイミングできちんと教えてくれる」というのも良い先生の条件の1つです。

「大人の生徒は上手くならないから」と投げやりな教え方しかしない先生もいますが、そういう先生についていては上達は見込めません。

先生の方針によって、技術を教える適切なタイミングは違います。
同じ先生でも生徒の個性によって変える先生もいます。
「いつになってもビブラートを教えてくれない」「ポジション移動をさせてもらえない」と思ったら、どのタイミングになったら、何が出来るようになったら、ビブラートやポジション移動を教えてもらえるか聞いてみましょう。「その前に必要な技術が身についてなければ、次の技術はまだ教えるべき時ではない」と考えらえて、教えてもらえてないだけかもしれません。

レッスン中に伴奏合わせをしてもらえる

多くのバイオリン ソロ曲、教本に載っているレッスン曲は、ピアノ伴奏がつきます。
伴奏に合わせて弾く、というのも磨くべき技術のひとつです。

ですので、レッスン中に伴奏合わせをしてくれる先生が望ましいです。
レッスン中に、発表会の曲以外には一切伴奏合わせをしてもらえない教室は、避けた方がいいと思います。

伴奏合わせをしてもらえるかどうかは、体験レッスンの時に先生に聞くのが早いです。

また、ピアノや電子ピアノが教室内に置いてあれば、おそらく伴奏合わせもしてもらえると思われます。
中には、バイオリンの先生はピアノ伴奏は出来ないけれど、ひと月~数か月に1度、定期的にプロのピアニストを招いて伴奏合わせをする、という教室もあります。

私の先生は、レッスン曲が仕上がると、最後に先生の伴奏に合わせて弾いて合格をもらう、というながれです。
伴奏が存在する曲は、必ず合格時に伴奏合わせをしてくれます。ピアノ伴奏だったり、バイオリン伴奏だったり色々です。

一人で弾くときはそこそこ弾けますが、伴奏に合わせて弾くとボロボロです(涙)
それも経験、練習、です……。

体験レッスンの時に、レッスン中に伴奏合わせをしてもらえるかを聞いてみましょう。

大人からバイオリンを始めた生徒への指導実績が豊富

他にも大人の生徒さんがいると、バイオリンを続ける上でのモチベーションになります。心強いです。
先に習っている先輩と仲よくなれば、お勧めの曲やその教室での習慣を教えてもらえたり、「ビブラートが上手くかからないんです」といった、悩みを聞いてくれたりします。
バイオリンを続けていくうえで、同じような境遇で頑張っている人が身近にいる、というだけでも、モチベーションアップに繋がり、

また、先生に大人の生徒を教えた経験がたくさんあると、またその先生の生徒の中で大人から初めてバイオリンが上手くなった生徒がいると、大変心強いです。
つまり、大人の生徒を上手く指導できた実績が豊富かどうか、です。

子供にしか教えたことがない先生、子供をメインに教えている先生の中には「大人は頑張って教えてもたいして上手くならないので、適当に手を抜いて教えよう。適当に曲を弾かせてご機嫌をとっておけばいいよね。」という考えの人もいます。

大人の生徒でも、生徒の本気度に応じて熱心に本気で指導してもらえるか、というのも重要なポイントです。

(「こちらの記事」のとおり、大人から始めても上達することは可能です。)

バイオリン演奏が上手い

先生がバイオリンが上手いかどうかです。

先生はバイオリンが上手いのが当たり前のようですが、残念ながら、音大出身でもあまり上手くないのに人に教えている、という人も稀にいます。

特に先生の持つ「音感」の精度は生徒にとって大変大きな意味をもっています。
先生の音感が悪ければ、生徒の音感も悪く育ちます。逆に、音感の良い先生につけば、生徒の耳も鍛えられます。音感が良い先生につくことは、バイオリンが上手くなる条件の1つです。

先生のバイオリンが上手いかどうかをみるには、体験レッスンの時に何か弾いてもらいましょう。「プロのバイオリン演奏はどんな音がするか知りたくて、少し聴かせていただけますか。」と、お願いしてみましょう。
弾いてもらうのは曲でもいいですが、音階を弾いてもらうのが分かりやすいです。調性は何でもよいですが、なんだかよくわからない人は「ニ長調」をリクエストしましょう。私の好きな調性です(笑)。
体験レッスンをいくつか回る人は、同じ曲/音階を違う先生へリクエストしてみましょう。同じもののの方が、聴き比べやすいからです。

下手な人の演奏は、音程が気持ち悪い、音がスカスカだったり、掠れていたりします。バイオリンは、注意深く聞けば素人でもすぐ分かります。
音大やプロを目指すわけでは無いので、「素人が聴いても下手と分かる」レベルでなければokです。
(「素人が聴いても下手」レベルでバイオリンの先生をされている方も、稀にいます…。そういう先生についても、上達は見込めません。)

7つのお勧めしないバイオリン先生の条件

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上記にあげた「良い先生の条件」の逆です。 見やすくリスト化しておきますね。

  • 生徒の話や希望を聞いてくれない
  • 生徒の個性に合わせた指導ができない
  • 先生のバイオリンがレッスン中出ていない
  • 必要な技術を教えてくれない。調弦させてもらえない。
  • 伴奏合わせをしてもらえない(教室にピアノ・電子ピアノが置いてない)
  • 大人の生徒を教えた経験が全くない。大人には本気で教えてくれない
  • バイオリン演奏が下手

バイオリンの先生は、音大出身者がいいの?

はい、バイオリンの先生は音大出身者の方がいいです。
正確には、音大出身者、特に有名音大出身者の先生は、良い先生である確率が高いのです。

有名な音大とは、最高峰の芸大・桐朋学園を筆頭に東京音大・国立音大・武蔵野音大のあたりです。
バイオリンのようなクラシック楽器は、音大出身者のほうが、技術的にも、教え方的にも、上手い人にあたる確率が高いです。クラシック楽器は歴史が長いので、技術や知識が、体系的に、学術的にアカデミアにまとめられていて、それを音大で専門的に学べるからです。
(ギターやドラムといったバンド楽器は、プロでも音大に行っていない人のほうが多いので話は変わります。)

音大を出ていない人でも、技術的にも教え方も上手い先生はいますので否定する気は全くありませんが、残念ながらそういう先生に出会える確率が低いのです。
忙しい日常の合間を縫って体験レッスンに行かれるような人は、音大出身の先生を選んだほうが、良い先生にである確率が高いです。

自分と人間的に相性が合う、尊敬できる先生が1番

結局のところ、あなたと馬が合う先生が1番です。

私たちは人間ですので、どうしても人の好き嫌いはあります。
どんなに評判がよく教え上手な先生でも、人間的に相性が合わなければ、たとえ他の大多数にとっては良い先生でも、あなたにとっては合わない先生です。

あなたにとって、楽しくレッスンを受けていて苦にならない、尊敬できる先生を探しましょう。

まとめ

●良いバイオリンの先生を見分ける7つの条件
ー生徒の話や希望をきちんと聞いてくれる
ー生徒の個性(体格、希望など)に合わせて指導できる
ー先生のバイオリンがレッスン中に出してある
ー調弦させてもらえる。必要な技術を教えてくれる
ーレッスン中に伴奏合わせをしてもらえる
ー大人からバイオリンを始めた生徒への指導実績が豊富
ーバイオリン演奏が上手い
●音大で専門的に学んだ先生の方がよい先生の確率が高い
●結局、自分と相性が合う尊敬できる先生が1番

全ての条件を満たす先生を探すのは難しいかもしれません。良い先生の条件は個人の方針や考え方によっても違います。この記事は私が思う良い先生の条件ですが、参考にはしていただけると思います。

音楽歴がなく自分に合う先生がどんな先生か想像もつかない人は、体験レッスンは3箇所ほど受けてみてください。3人の先生の体験レッスンを経験すれば、自分の中で基準が出来て、自分に合う・合わない比較ができるようになります

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